投稿日:2024/05/18

ゲーム制作における「ディレクター」という役職とは?

   

こんにちは、Chloeです。

今回は担当していた案件がひと段落し、そこでディレクターとして色々体験させていただいたことや
気づいた点がありましたので自分でもその辺について、振り返りつつお話させて頂こうと思います。

 

■そもそもディレクターとは=担当案件の監督のような立場

「ゲーム内の要素や内容に責任をあたえられ、作品クオリティやコストにもある程度決定権がある」
ある程度簡単にいうとこんな立ち位置です。

いろいろな決定権を与えらえるので、
「自分のおもしろい、と思えるゲームを作れる」 = 「出来上がったゲームは自分が監督したという責任の塊」とも言えます。
つまり自分の作りたいゲームを作るということは、そのぶん自分の責任が大きく生じるということになります。

 

■その責任を果たすためには?

色々手段はあると思いますが、
自分がそのゲームについて誰よりも考え、その責任を自覚し、
あらゆることを決めつつ、先(完成)に向けて進めていく必要がある、というのがシンプルな答えのひとつではないでしょうか。
(イチ企画として今までの業務での経験や、失敗し、後悔した「もっと色々な考え方、行動、選択肢があった」というものを生かし、
次はそんな失敗、後悔をしないために「誰よりもそのゲームの内容について」考える必要がある

 

■具体的にどんな業務内容になる?

前にふれたとおり、いろいろな物事を決めていく他にもいろいろな業務をこなしていきます。

業務内容はプロジェクトや会社によってさまざまですが、今回であればまずは「見積(みつもり)」です。
「見積」とは、今作を作るにあたって、どのくらいのお金(コスト)がかかるのか、を算出するために
ざっくりしたゲーム内容から、必要な要素を洗い出し、それがどれだけの人員が必要でどれだけ時間がかかるかを算出
します。
ちなみに、算出した数値はだいたい予算オーバーしますw
(だってやるからには理想の最大値を目指したいですよね)
なので、予算内に収めるために要素に優先順位をつけ、取捨選択し要素を整理する → ゲームの全体像が少しづつ見えてくる という形が副次的な結果としてできます

そして次に、この要素を誰が、どんな順序で作っていくかのスケジュールを組んでいきます。
この辺は専門学校の共同制作でもやるとは思いますが、もっと細かく、また各自がより責任(プレッシャー)を感じつつ取り決めていきます。
(間違いがあると、そのしわ寄せが各担当者に響くので)

あとは案件のボリュームにもよりますが、自分もスケジュール管理をしつつ、実際のゲーム内の仕様や組み込み、調整を同時並行し
いかに担当案件がスムーズに進捗を進めていけるかを監視、確認しつつ日々の業務をこなしていくことになります。
この辺も恐らく学生時代に体験してきている方がほとんどだと思いますが、大きく違うことが、
「実際に多額のお金が動いている」ということ = 「何か問題が起こり遅延が発生すると、月ごとに多額のお金の損失が生じる」 ということです。
正直色々なプレッシャーが日々のしかかりますが、これが誰もが一番重く感じる部分ではないでしょうか。
だって遅延が起きてしまって損失がでても、自分のポケットマネーでは対処できない(責任とれない)ですもんね。

次は一番業務内容としては多いであろう、ゲーム部分に関する色々な協議の上でどうするか、を決める部分です。
どうするのが一番ベストなのか、一番面白い、一番効率的、予算的にこうするのがベスト、といったことを決めることですね。
ここは正直経験からくる知識も必要なのですが、
「いろいろ意見をだしてもらう」、「その上で、でた意見を並べてどれが一番かを判断する」、というのが一番重要だと思います。
というのも私自身の知識量はたかがしれていて、デザイナ陣が持っているデザインやツールに関する技術、
同じくプログラマ陣が持っているプログラム技術には及ばないので、
いかにそれらの関係者に意見を出してもらえるよう立ち回り、出た意見を並べ、理由とセットで確定させる、のがすごく重要で大変でした。

今回の場合、自分の初めてのジャンルだったので知識が足りず、長時間の会議になったり、何度も会議を開催することになりましたが、
時間は限られているので、会議前の事前準備をしっかり行い、
あらかじめ議題や問題を解決するたの自分の考えをまとめておくことでどんどん効率
化を行いました。
(いわゆる「大事なのは準備8割」というやつですね)

あとは今までの自分のゲームプレイヤーとしての経験から、こうすることがベターだろう、とかもっとこうすると面白いと思う、といった案だしでした。
学生時代とかはこういった今までの経験やセンスの部分がすべてのように思うんですが、
極論その辺はそこまで重要ではなく、あればより良いが、それ以外の前述した部分の要素のほうがより重要、重宝される、と思います。

 

■まとめると

・ディレクターはゲーム制作における「現場監督(指示だし、旗振り役)」のようなもの
・ゲームはディレクターがいると、よりスムーズにゲームが制作できる(逆にスムーズにならないなら、その存在価値が問われる)
・色々なものごとを決めるので、その分その決定に責任が生じる(誤った決定をしないように慎重に準備、決定を行う必要がある)
・ゲーム実装だけではなく、スケジュール管理や各種相談ごとの対応など、マルチタスクが多くなるので、より効率的に行動する必要がある

ざっとまとめると上記のような所がありますが、そのほかにも気づきや勉強になるな…と感じることが多々ありました。
すでに次のプロジェクトが進み始めていますが、これらを振り返りつつ、
もっと効率的に立ち回り、空いた時間をよりクオリティアップに割り振れるように、日々精進していきたいと思います。

それでは機会がありましたらまたブログ更新したいと思いますので、よろしくお願いします!