投稿日:2026/04/16

カラーマネジメントしよう!

   

初めまして、もみです。

早速ですが、皆さんはカラーマネジメントはしていますか?
色を扱う業界では、カラーマネジメントは、必須と言っても過言ではありません。
これはゲーム業界でも同様です。本記事では、まずカラーマネジメントについて理解できるよう解説していきます。

カラーマネジメントとは?

一般的にカラーマネジメントシステム(Color Management System)と呼ばれ、
カメラ、モニター、プリンターなど異なる機器間での色のズレを修正し、画像やデータを一貫した色で再現、管理することです。
つまり、どのデバイスでも同じ色を出せるようにしておくということです。

 

モニターから出力される色は、同じでありません。
製品によってIPS、VA、TNといった駆動方式の違いや、バックライトの品質により色表現能力の違い、
メーカーごとに標準設定も違えば、経年劣化や製造時の誤差も生まれます。
ゲーム開発は、多数の人と協力して開発することが大半かと思います。そこでモニターごとに見える色が異なった状態ですと困ったことが起きます。

 

もしカラーマネジメントを行っていないとどうなるか?

  • リテイクの増加:ディレクターと作業者のモニターの色が違うと、「もっと明るく」という指示の基準がズレ、無駄な修正ループが発生します。

  • 意図しない出力:制作時の色と、ユーザーが手にする最終画面の色が乖離し、意図したデザインならない可能性がある。

 

カラーマネジメントを行うメリット

  • 色の一貫性を保つことで、ディレクターと作業者の誤解を防ぐ
  • デザインの意図を正確に伝えることができる
  • 不必要な時間を費やす必要がなくなり、制作物の品質を向上させられる

このようなメリットがあるというよりは、前述したカラーマネジメントしていないことによるデメリットが大きいです。

それでは、カラーマネジメントの重要性を把握したところで、実際にカラーマネジメントを行っていく前に、まず確認すべきことがあります。

 

開発環境およびワークフローの確認

ご自身のプロジェクトの開発する部屋の環境は、どうなっているでしょうか?
部屋の照明はどうなっていますか?明るめですか暗めですか?昼白色ですか、昼光色ですか、それとも電球色ですか?
照明には、色評価用蛍光灯というものがあります。これを使用するのが一番良いかと思います。

また、窓は近くにありますか?
外からの光が部屋に入って来る環境ですと、時間帯や天気によって、色が変わってしまいます。
作業されるときは、遮光性高いカーテンで、一定の明るさで作業できる環境が望ましいです。

続いて、ハードウェアの確認
ゲームソフト開発において、色を扱うデバイスは、

  • モニター
  • ゲーム機(ゲームセンターに置かれる筐体用のゲームやVRゲーム、プロジェクターで映すなどもありますが、これら一旦省きます。)

が基本かと思います。

もし、最終結果がモニターのあるゲーム機での開発の場合

その画面からどんな色が出るか確認します。
2025年に発売されたSwitch2 は、どうでしょうか?
モニターに関する仕様は「広色域液晶」ということで、詳細は記載されていませんが、
モニターを計測調査された記事によると、ガンマ2.2 を基準としているが、黒に近いほどガンマが下がるようになっている。
ガンマが低いと実際より明るく表示されるため、暗部を明るめにして、ゲームプレイ中の視認性を高めるようにしていると思われます。
また、色温度は、6500K が基本ですが、7500~8000K ほどに設定されているようです。
色温度は、高くなると、青っぽく、低くなるとオレンジ色に寄ります。
色温度が高くなっているので、青みがかった色を出すようにしているようです。
これは、日本メーカーのテレビによくある青みがかった初期設定に合わせているのではと推測できます。
また、色域は、DCI-P3を99%カバーしているようで、一般的に使われる、sRGBやRec.709 よりも高色域になっています。
もし、ゲーム機の見た目を最終結果とする場合は、それに合わせて、開発に使用するモニターや各ソフトウェアを設定すればよい。

一方で、画面のないゲーム機やPC向けにゲームを開発する場合

ユーザーがどのようなモニターを使用してゲームするか分かりますか?
テレビかもしれませんし、2K、4K、さらに HDR対応もされているモニターかもしれません。
このようにユーザーが使用するものは、ユーザーごとに異なるため、合わせることは不可能です。
そのため、ゲーム開発では、リファレンスモニターというものを用意します。
基準となるモニターを用意して、それに合わせて、制作時のモニターや各ソフトウェアを合わせます。

そして最後にワークフローの確認です。
例:
①Maya、3dsMax のようなDCCツール
②Photoshop や Substance のようなテクスチャ制作ツール
③ゲームエンジン

このように制作のワークフローを明確にしておく必要があります。

以上、部屋の環境から、ハードウェア、ソフトウェアまで管理することがカラーマネジメントになります。

続いて、ハードウェアとソフトウェアの色を合わせる方法について解説していきます。

 

どうやって色を一致させるのか?

実は、カラープロファイルという基準があります。

カラープロファイルとは?

カラープロファイルは、ICCプロファイルとも呼ばれ、機器間で色を統一し、正しい色味を再現するための情報ファイルです。
カラープロファイルは、3つの情報が書き込まれています。

  • 色温度
  • 色空間(RGB各色の色空間座標)
  • ガンマ
カラープロファイルの種類

代表的なものをいくつか紹介します。

    • sRGB:世界的な標準
    • Adobe RGB:sRGBよりも広い色域。
    • ProPhoto RGB:さらに広い色域。
    • DCI-P3:sRGB規格よりも約25%広い色空間
    • Display P3:主にApple製品や映像表示、sRGBより広色域。
    • Rec.709:BT.709とも呼ばれる。sRGBとほぼ同じで、YouTubeやテレビPCモニターなどで使用される規格
    • Rec.2020:Rec.709より広く、自然界に存在する色の約75%をカバーすると言われている。

どれにすべきかは、開発するゲームの種類やゲームハードによって異なるため一概には言えません。
プロジェクトごとに適した基準を決める必要があります。

基準が決まれば、ハードウェアの設定を進めます。その手法がキャリブレーションです。

キャリブレーションとは?

キャリブレーションは、色のズレを矯正し、正しい状態にするという作業です。
次回は、このキャリブレーションについて解説しようと思います。